殺してはいけない理由
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集団を構成しているものをみだりに殺さないことは、
人間だけでなく多くの動植物や細胞レベルでも観察され、
最も普遍的にみられる判断基準の一つであると思われる。
それは集団の瓦解を防ぐフィードバック機構の一種であり、
構成要素間で判断基準が共有されることによって作動する。
自殺や安楽死を含む殺害が禁止されることについて、理由付け
によって「理解」することは難しいが、人間が理由を気にする
ことで特徴付けられるとすれば、理解しようとすること自体が、
この種のフィードバック機構が作動していることの現れの一部
なのだと思われる。
けれどもこれを自然にもとづいて説明し弁護することはむずかしい。
むしろ、習慣や、法律や、戒律にもとづいて弁護するほうがやさしい。
事物の根源の、普遍的な理由を探求することはむずかしい。
モンテーニュ「エセー」第一巻
第二十三章「習慣について。また、既存の法律を容易に改めてはならないこと」
意識だけが理由を気にするのだとすれば、それを続けることでしか、 意識は意識たることを噛みしめることができないと思われる。
An At a NOA 2016-12-23 “モデル化の継続”