FPS映画
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「ハードコア」という一人称視点で撮られた映画が
面白そうである。
革命的一人称視点映画『ハードコア』のイリヤ・ナイシュラー監督にインタビュー
トレーラーを見て感じたのは、感情移入の逆と言うべきか、
肉体侵入とでも呼ぶべきような、物理的身体が押し付け
られる感覚だ。
たぶん、攻殻機動隊のVRで、視点の強制移動が生じたときに
感じたのと同じ感覚である。
An At a NOA 2016-07-14 “攻殻VR”
FPSゲームでは自ら操作するので、究極的に新しい物理的身体を
獲得することはあっても、押し付けられる感覚とは異なる。
新しい物理的身体を獲得することで、ユーザはキャラクタへと
変貌するが、いつまでShootingを続けられるだろうか。
ユーザは、ユーザではなくゲーム内のキャラクタになってしまうことで、 ためらいが生まれ得ると思う。
An At a NOA 2016-07-30 “FPS”
映画の場合、物理的身体が押し付けられるために、ためらいが
生じるか否かに関わらず、心理的身体は強制的にShootingに
付き合わされる。
この手の映像体験が高精度化すると、耐えられない人間も
出てくる可能性はあると思われる。
疑問なのは、これを映画館で観る意味があるのかということだ。
物理的身体の押し付けという意味では、各人が元々もっている
物理的身体への入力はノイズになるので、極力排除した方が
この映画の特徴が際立つように思う。
あるいは、90分間の押し付けに耐えられなくなったときの退避
場所になるという意味では、そういったノイズが命綱になるの
かもしれない。