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源は水の元。

雨として降り落ち、 地に染み入った水は、 やがて染み出し筋をなし、 川と呼ばれるほどに育った後に、 海としてたゆたう。
そしてまた空へと昇る。
その循環に始まりはあるだろうか。

水の元は定かでなく、 定められることによって 定かになる。

あらゆる源もまた同じであるが、 源を辿り、それを共有する過程には、 直線状に不可逆に進む時間の概念が 現れており、最も人間的な行為の一つ であるように思う。

語源etymologyという語が、ギリシャ語の ἐτεός (true)に由来するのは、定められた 源が真実となることを示すようで面白い。

ちなみに、日本語では時間的にも空間的にも 「源」だが、英語では時間には「origin」、 空間には「source」という使い分けがある ように思う。