対称性
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レオン・レーダーマン、クリストファー・ヒル「対称性」を読んだ。
あらゆる保存則の問題を対称性の問題に置き換えた
ネーターの定理は、革命的と形容するにふさわしい。
本書はそんなネーターの定理への敬意に溢れている。
変換に対する系の不変性によって対称性を定義する
のであれば、対称性=保存則を見出すのはイデアル
によって商環をつくるのと同じである。
自然それ自体が対称性をもっているというよりも、
認識や理解によって把握するということと対称性とは
表裏一体であり、「何かを把握すること」と「何かが
対称性をもつこと」には見分けがつかないということ
なのではないかと思う。
何かを把握しているにも関わらず、その把握にどんな
対称性が埋め込まれているかに無自覚だった人類は、
ネーターの定理によって気付かされた。
統一理論の探求は、そんな自己反省の旅なのだろう。