王国のアリス
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マリアの心臓で「王国のアリス」を観てきた。
ギャラリーのヴンダーカンマー感が好きだ。
                    一人の人間の趣味によって蒐集されたもので
                    ありつつも、蒐集品それぞれが独自の雰囲気
                    をもつことで、純粋でありながら複雑である
                    という独特の空気感に溢れている。
                    展示品の方が観者よりも数が多いというのも、
                    ヴンダーカンマーらしさにつながるのかも
                    しれない。
博物館での展示は、あまりにも純粋になり過ぎ、
                    展示品に対する観者の数があまりにも増え過ぎた。
                    これもまた一種のマスコミュニケーション化だが、
                    近代にはこの形式の方がマッチするのだろう。
人形を眺めながら、「人形」には「人」が入って
                    いるのに、「doll」には人間に相当する語がない
                    ということを考えていた。
                    調べてみると、dollの語源はDorothy=gift of God
                    ということらしい。
天野可淡という神様の贈り物には、
                    独特の魅力があるように思う。
                    二つの顔をもつ人形が鏡に映りながら
                    回転するオルゴールがよかった。