よどみ


[tag:]

絶え間なく入力される圧倒的大量のデータに晒された 物理的身体は、目的なしに特徴抽出を行いながら、 自動的に応答する系として存在する。

眼が何かを見ようとしているのでもなければ、 眼の後ろに何かを見ようとしている者がいるの でもない。
ただひたすらに光学データが眼から入力され、 そのデータの中に常に秩序が生成される様を、 「見る」と呼んでいるだけだ。

絶え間ない流れに、理由という杭が立てられる ことによってできたよどみ。
そのよどみのことを、心理的身体と呼んでいるの だろうか。

元の流れは整合的な一本の秩序をなしているが、 よどみもまた、別の新しい秩序をそこに加える。