札幌
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研究発表で札幌へ。
前回札幌に来たのはまだドームができる前だったから、
もう20年振りくらいか。
北海道は車がないと観光できる場所が限られる。
そして、4月末の札幌はまだ春というよりは
冬の終わりに近い。
あと一週間もすればいろいろ開くのだけど。
土曜日の朝は北大の植物園へ。
温室しか開いていないようなので、近くだけ通りすぎて
北海道庁の旧庁舎の方へ歩く。
小雨が降っているのだけど、いろいろスケジュールを
考えて、今日のうちにモエレ沼公園へ行くことにするが、
その前にちょっと早いお昼で味の時計台に寄る。
これを食べるとなんとなく札幌に来た感じがするのだ。
電車に乗る前に時計台を見ると、20年前よりも観光地っぽく
なっていた気がした。
環状通東駅では30分近くバスを待つことになったが、
13時半過ぎにモエレ沼公園に到着。
川沿いにアオサギやカラスは多いのだが、雨上がりのせいか
人は全くいない。
施設もほとんどは来週からのようだ。
アスファルトに並んだミミズの死骸を避けながら、ガラスの
ピラミッドまで辿り着く。
鉄骨のトラスや張弦梁とガラスでできた覆いの下にいると、
ベンヤミンのパサージュ論を思い出す。
水晶宮は万博会場、パサージュは商店街であり、百貨店から
ショッピングモールへと至る系譜をなしており、いずれも
空間的な隔たりを超えてあらゆる物を集積した場所である。
モエレ沼公園は元々ゴミ処理場だったらしく、物の残骸が
集積した場所の跡地だと思うと、ピラミッドという墓である
のと同じくらい、パサージュであることが妙に良いモチーフに
なっているように感じる。
札幌駅の近くまで戻り、一旦宿にチェックインした後、
17時過ぎで少し早いのだけど、晩ごはんを食べに奥芝商店へ。
17時半前に着いたのに30分くらい待ったが、ここのスープカレーは
めちゃくちゃ旨かった。
肉も野菜もヴォリュームがあり、かなりお腹いっぱいになる。
大丸の地下で小樽ビールとサッポロクラシックを買い込んで
宿で一杯、そして就寝。
日曜日は午前中に研究発表。
初稿提出から発表まで半年以上かかるのは査読付きだから
仕方ないが、arXivみたいな仕組みで回っている分野も
あることを思うと、どうなのかとも思う。
まあそのゆっくりさが建築にはあっているのかもしれないが。
発表後、北大の総合博物館に寄ってみると、展示内容がすごく
充実していた。
早足でしか見れなかったが、数時間かけて見られるレベルだ。
キャンパスの中も自然が多いのはもちろんのこと、古い建物も
たくさん残っていてよい雰囲気だった。
お昼は奥芝商店の隣りにある一粒庵にしようと思ったのだけど、
日曜は休みだった。
大通公園の方に歩く途中で久楽というラーメン屋を見つけたので
入ってみる。
やはり札幌は味噌ラーメンである。
できればすみれにも行きたかったが、また次回。
大通駅から円山公園まで移動し、北海道神宮へお参り。
神社と公園という組み合わせは氷川神社と大宮公園を思い出させ、
どことなく懐かしい気持ちになる。
公園内の桜はまだまだ咲いていないが、陽射しはもう春のそれである。
円山動物園のあたりまで散歩して折り返してくると15時前。
近くに森彦という木造民家を改装した喫茶店があるようなので
行ってみたが、案の定混んでいる。
森の雫というオリジナルブレンドの豆だけ買って帰ってきたが、
内観も外観もとても良い味を出していたので、今度は店内で飲みたい。
味噌ラーメン、スープカレーは食べたが、ジンギスカンを食べて
いないし、サッポロクラシックを生で飲んでないなと思い、
少し早めに空港に行き、これらを達成する。
大分満たされたのであとは帰るだけだ。
先週から読み始めた「カラマーゾフの兄弟」は、この旅で一巻を
読み終え、二巻に突入した。
ゴールデンウィーク中には読み終えたい。