マックイーン モードの反逆児
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「マックイーン モードの反逆児」を観た。
創造と犯罪は紙一重ですらない。両者はともに、マジョリティからの逸脱、モードへの反逆であり、非凡singularityに与えられた別名に過ぎない。マジョリティとは異なる視点によって逸脱がつなぎとめられれば創造と呼ばれ、マジョリティの視点によって排斥されれば犯罪と呼ばれる。その差は、一切の理屈抜きに物理的身体に訴求する印象の有無が生み出すように思う。つづめて言えば、感動できるか否かに懸かっている。
やはり写真で見るのと映像で見るのとでは、ショーから伝わってくる印象が段違いだ。真っ白なドレスに2台のロボットがインクを噴射するショーは、着色の舞というプロセスであってこそ、感涙を誘う印象の強さを発揮する。モデルとロボットがダンスを交わし、汗とインクが混じる様子に、解釈するよりも先に身体が反応してしまう。いや、解釈より反応が先行するのは常に起きているとしても、その前後関係の擬制がうまく働かないほど、刺激がイレギュラーだということだ。擬制によって成り立っている自意識が薄れた忘我の状態がつまり、感動である。