六古窯


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よく行く喫茶店で招待券をもらっていたので、 出光美術館で「六古窯」展を観てきた。

粘土という塑性体を用いて創造されたかたちは、 焼かれることで変形・変色しながら剛性を獲得し、 時代と場所を超えて維持される。
かたちを留めるだけの固さを得る代償として、 脆さとかたち自体の変化を受け入れざるを 得ないという、やきもの独特の秩序の在り方。
焼成の途中で倒れたことで、横に流れるような 釉薬の模様がついた双耳壷に付けられていた、 「熟練した作り手でさえもコントロールできない、 土と火の格闘」というキャプションが印象的だ。

人工的な制御可能性から免れる、いろとかたち。
対称であろうとしながら、不可避的に非対称性を はらんでしまうという随意と不随意の拮抗の中に、 対称性・再現性・簡潔性・論理性を追求した先 にある「きれいさ」とは異なる、「美しさ」が あるのかもしれない。
意図した秩序の実現=固定化=技術性と、 意図しない秩序の変容=発散=芸術性のバランス。
3Dモデリングと3Dプリンタによる造形過程に、 この非対称性の不随意な混入を招き入れることは、 如何にして可能だろうか。