かき氷シロップ
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かき氷シロップが全部同じ味という話は、
味覚というセンサが視覚や嗅覚などの
他のセンサと独立に機能するという発想に
基づいているように思う。
そもそもシロップ自体が、イチゴやメロン
といったものから、視覚の大部分や触覚を
捨象し、風味だけを抽象しようとするもの
であるから、シロップを作ろうという立場も、
それらは全て味覚的には同じだとする立場も、
大同小異であると言える。
センサ間に成立するコンセンサスのことを
現実と呼ぶならば、近代の要素還元主義は、
一つの物理的身体に備わる多種類のセンサが
つくり出す現実に加え、複数の物理的身体に
備わる一種類のセンサがつくり出す現実を
発展させることを可能にした。
この新しい現実はVRと呼ばれる。
かき氷シロップもVRの一種だ。