ニクソン・ショック
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ドルが金との兌換を停止して久しいが、中央銀行に
よって金の「固さ」は埋め合わされ、瓦解するような
ハイパーインフレは起きていない。
既存の通貨との兌換を停止した暗号通貨が乱高下を
免れるには、「固さ」を埋め合わせる仕組みが必要に
なるのだろう。
金との兌換がもはや意識されないように、かつて
「固さ」を担保していたものは、いずれ忘れられて
いくように思うが、次のものが現れない限りは、
いつまでも残り続ける。
意識もまた、貨幣と同じように、慣習や神様、科学的
真理など、人それぞれ、その時々に応じていろいろな
「中央銀行」に支えられているが、そもそもの始めは、
何かとの兌換によって形成されるのだろうと想像される。
意識は、生まれつつあるときに「固さ」をもたらして
くれた何かのことを、親と呼ぶのだろう。
それぞれの個人にとってのニクソン・ショックは、
いつ頃だっただろうか。
あるいは、人類にとってはどうだっただろうか。
いずれにとっても、それは徐々に起きるのだろうし、
相対的なものなのだろう。
現在の通貨や意識よりも、よりvirtualな通貨や意識は、
どちらが先に通用するだろうか。
言葉の「固さ」に頼れる分、意識の方が先だろうという
見方もできるかもしれない。
生物学的な親が不要になった時代には、日本語や英語の
ことを「親」と呼ぶようなこともあるだろうか。