一真教
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一神教Monotheismの熱に浮かされた古典古代とルネサンスの
間の千年間を過ぎても、未だに真なるものは一つであるという
「一真教Monoalethism」の理念は強いが、Post-truthが叫ばれる
ことによって、ようやくその熱がおさまり始めている。
the view that truth is uniquely realized John Devlin “An Argument for an Error Theory of Truth”
Monoalethism is the belief in One Full (and therefore final) Truth which has been revealed to us by a set of holy, non-amendable books and holy, unquestionable prophets.
Darko Suvin “Defined by a Hollow” p.489
歴史学における古典が多神教的であるのに対し、論理学における
古典はPrinciple of bivalenceを採る二値論理という一真教である。
Post-truthの時代が、別のMonoalethismへの移行ではなく、
Polyalethismになれるかは、人間が多値論理に耐えられるかに
かかっているのだろう。
無意味であることに耐えられないんですよ人間は。
伊藤計劃「ハーモニー」p.375