労働


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労働の目的の一つに、物理的身体と心理的身体の 維持があるが、徐々に物理的身体についての役割は 薄れつつある。

物理的身体の維持は、外部に委譲しても弊害が少ない。
あるとすれば、「働かざるもの食うべからず」的な 集団からの是正勧告だが、それも集団的に許容される 方向に判断が変化することで減っていくだろう。
現状では未成年、老人、身体障害者等が許容される範囲 であり、年金や生活保護等の仕組みによって物理的身体が 維持される。

心理的身体の維持は外部への委譲が難しく、労働以外の 選択肢を見つけられないものは、心理的身体を徐々に 失っていき、認知症と呼ばれるに至る。

労働を失うのが危惧されるのは、それ以外の方法で自らの 力で心理的身体を維持することに困難を覚える人間が多い からだろう。
子どものように、働いたことがない人間の方が、労働の 委譲に対して楽観的なのではないだろうか。
労働によらなくても心理的身体を維持できる人間は、 物理的身体が維持できるのであれば、労働を選ばなければ いけない理由はない。

労働は一種の麻薬である。
心理的身体を維持するために、あまりに依存し過ぎると、 奪われるのが怖くなる。