材料→アルゴリズム
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この数年のトレンドを見ていると、基礎的なアルゴリズム・データ構造が脚光を浴びてる気がする。というのはCPUのクロックが上げ止まってしまったのに、扱うデータはどんどん大きくなってるから、かなと。特にコアで分散並列処理できるものが、論文で50年近い時を越えて蘇ってる感。
— MURAOKA Taro (@kaoriya) 2016年10月14日
建築の世界も似たような状況になるだろうか。
高強度、高性能な材料が開発されることで、超高層や大スパンの
建築が可能になってきた様は、CPUの高性能化に伴う演算速度の
増加と似たところがある。
PCは建築に比べて取り替えのスパンが短いため、新しいCPUへの
移行がすぐに進むが、建築ではそうもいかないし、そもそも高性能な
材料(高強度鋼や高強度コンクリート等)はXeonのようなもので、
住宅用にはほとんど使われず、住宅用にしても、コンシューマ向けのCPUが
Pentium→Celeron D→Core 2→Core(i7等)と進化してきたのに
比べると、鋼材で言えば、SN材が誕生したのが革新的だった以外は
強度的には未だにSS40相当のSN400がメインだ。
材料性能が頭打ちになると、引用ツイートのように、基礎的な分野での
チューニングが進むだろうか。
今では、ラチス梁や組み立て柱といったものを作るよりも大断面鋼材を
使う方が多いが、これは多少材料費が上がってでも手間を下げる方が
トータルとして安上がりだからだ。
この状況は、アルゴリズムのチューニングよりも新しいCPUにすることで
性能を上げるのに似ている。
材料まかせではなくなる時代が再び来るには、3Dプリンタや3Dスキャナといった
技術をベースにして、解析、作図、製作、精度管理等の多岐に渡る分野において、
省力でチューニングができる体制を整えなければならない。
それを支援するような仕組みはどのような姿になるだろうか。