概念の言語化
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概念と言語の関係は、雪における氷の結晶とエアロゾル粒子の
関係に近いように思う。
雪の場合、エアロゾル粒子のような核になる微粒子がない空気中だと
過冷却が起こりしばらく結晶化しないが、これは結晶化するための
拠り所がなく、不安定なためである。
同様に、拠り所抜きで一定の情報を概念として結集させようとしても、
不安定であり、なかなか固定できないように思われる。
拠り所としては必ずしも言語を用いなくてもよいが、パターンの多さと
クラスタリングの明確さにより伝達と保存に有利なためか、現時点で
人間に最も流行している。
ある言語のある単語を核にして、どのような概念を結晶させるかは
人によりまちまちであるし、時代、場所の影響を大いに受けて
一人の人間の中でも次第に変化していく。
結晶が大きく、その単語に意味の幅がある場合もあれば、
反対に意味が鋭く決まっている場合もある。
コミュニケーションを通して結晶の大きさや形を調整するのがつまり、
他人と意思疎通するということだ。
言語は概念に付けられた名札ではなく、概念を結晶化するための
核になっている。
Language is not a name tag attached to notions,
but a core which notionts are crystallised around.