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濁点と半濁点を使わずに文章を組み立てるのは
                    結構難しいが、慣れてくると意外と面白い。
                    言い回しを考えないとすぐに濁点が顔を出す。
でも、読者として読み返してみると、出来上がった
                    文章には意外と違和感を覚えない。
                    書くときには違和感まみれだったのに不思議なものである。
梶井基次郎「檸檬」の冒頭
                    えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。
                    焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔が
                    あるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。
                    ↓
                    えたいの知れない不吉な塊によって私の心は終始圧えつけられていた。
                    焦燥と言おうか、嫌悪と言おうか――酒をあおったあとに宿酔を
                    もよおすように、酒を毎日あおっていると宿酔に相当した期間を迎える。